ギター_メタル_stratakkブログ

ギター、音楽関連の趣味の話題を扱います。

STLTONES TONALITY ANDY JAMES プラグイン レビュー

STL TONES プラグイン TONALITY ANDY JAMES  をレビューします。

EVH5150III とPEAVEY6505, VOX AC30の少し珍しい組み合わせのアンプ/エフェクトがワンパッケージに収まったプラグインです。日本語のレビューが少ないので、購入検討のお役に立てればと思います。

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TONALITY ANDY JAMES プラグイン

 

TONALITY ANDY JAMES デモ音源

STLTONOES TONALITY ANDY JAMESプラグインを使用してデモ音源を作成しました。

ギターはダイレクトにPCインターフェイスで録音し、インサートエフェクトでアンプシミュレータをかけています。
ギタートラックはミックス段のM/S処理で中央低音成分をベース/キック用に多少下げたのみです。

www.youtube.com

TONALITY ANDY JAMES プラグインの構成

TONALITY ANDY JAMES は下記の基本構成となっています。

①プリエフェクト:OD808/REVENANT(ANDY JAMESシグネイチャーペダル)
②アンプセクション:AMP1(5150III)/ AMP2(6506+) /AMP3(AC30)
キャビネットシミュレータ
④ポストエフェクト:Delay, Reverb, Lo-Fiフィルタ

この他に、入出力レベル、入力ゲート、チューナー機能があります。アンプは通常の1台を使う「ノーマルモード」と、2種類をミックして使える「ミキサーモード」があります。基本的なギターの音作りを完結できるパッケージです。

各セクションの音と操作の印象

プリエフェクト

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Tonality Andy Jamesプリエフェクト


OD808: 一般的なMAXON OD808シミュレートです。DRIVEをあげてもそこまで低音が潰れず使いやすいと思います。

REVENANT: Andy Jamesのシグネイチャープリアンプペダルです。とんでもなくギャンギャンです。HIMIDのキャラが強烈すぎて、アンプの前段に入れるとアンコントローラブルな音になります・・・が、2つのエフェクトの右側にはルーティング切り替えがあり、アンプの入力につながるか、パワーアンプ部にダイレクトにつながるルート選択ができます。REVENANTはプリアンプペダルで、単体でかなり歪みますので、これはこれでもう一つのアンプという位置付けになると思います。REVENANTの前段にOD0808もかけられます。ただ、歪みがいわゆる「エフェクターっぽい」です。チューブらしくありません。ライブとかスタジオだとこういうエフェクターくさい歪みって意外と映えるんで結構いいんですけどね。録音だとちょっとなぁ・・・ある意味とても優秀なシミュレータだと思います。

アンプセクション

アンプはAMP1, AMP2, AMP3の3種類ありまして、それぞれコントロールは実機そのまま+αとなっております。

AMP1 (EVH5150II CH3 シミュレート)

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Tonality Andy James AMP1

EVH5150II CH3シミュレートです。実機のEVH5150IIIを使ったことはないのですが、Youtubeのどなたかの実機との比較レビュー動画では相当似ていました。各コントロールPEAVEYの5150よりもわかりやすい気がします。

音は低音成分が多いです。そのためかRESONANCEの効果がいまいちわからないですね。低音は多いのですが、しかし芯があるというわけでもなく、タイトに抜けをよくしようと中高音をあげるとなんかスカスカな微妙な低音になります・・・。プリセットもだいたいこもり気味ですね。

AMP2 (PEAVEY6505 Lead CH シミュレート) 

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Tonarity Andy James アンプセクション

PEAVEY6505のLead CHシミュレートです。こちらも低音が多いですね。AMP1と比べると全体的に荒々しい感じで、低音の潰れも結構あります。モダンメタル的な低音ではないので低音リフだとちょっとルーズな感じになります。しかしソロの音色はめちゃめちゃいいです。荒々しい歪みが、高音の伸びとちょうど良いスクリーム感を出しています!6L6のパワーチューブがいい感じです。

AMP3 (VOX AC30シミュレート)

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Tonality Andy James AMP3

こちらはAMP1, AMP2とはうってかわってとんでもなく高音寄りです。ですがTONE CUTが結構いい感じに効いて、甘い音も出せます。これはなかなかいいですよ。TREBLEの帯域もいい感じで、きらびやかすぎない綺麗なクリーントーンが作れます。

キャビネットシミュレータ

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Tonality Andy James キャビネットシミュレータ

シンプルな3種類のキャビネットシミュレータと+外部IRローダーの構成です。うーん、こもりがちな音はこのCAB1/CAB2のせいかもですね。外部IRローダーですが、Tonality Andy James自体にもIRが17種類付いてきまして、ここから選ぶこともできます。この付属の外部IRで、幸いなことに2つ割と抜けのいいのがありまして(IR 04とIR17)、今回のデモではそのうちの一つ「IR 04」を使いました。

ポストエフェクト

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Tonality Andy James ポストエフェクト

DELAY, CHORUS, Lo-FIフィルタの構成です。あまり特筆すべき点はなかったですが、シンプルで使いやすいのでは。ディレイにはモジュレーションが付いており、遅い速度でかけると普通のディレイよりも深みが増す感じがあります。 

その他

冒頭にも書きましたが、2種類のアンプをミックス出力する「ミキサーモード」があります。単体アンプシミュレータのプラグインでは珍しい機能です。自分はAMP1のスカスカな低音をもう1系統の歪みの少ない低音寄りな設定で補うことで、モダンメタリックな音をなんとか達成できた気がします。

全体の所感、まとめ

公式のAndy James氏のデモがめっちゃカッコよく音もいい、某海外の大手正直なアンプシミュレータレビューサイトでも高評価、そしてSTL TONESの無料プラグイン「Emissary」が相当よかったこともあってトライもせず購入してしました。しかし、正直なところ「うわ〜やっちまったな・・・」という感想です。自分はこれを機に「絶対トライアルで試してから購入!」を固く決意しました・・・。

こもっていて低音よりなくせに肝心の低音の芯がない・・・そして何よりメインアンプのEVH5150IIIシミュレートは、フリーのML sound lab「Amped ROOTS」 とさして変わらない・・・ Amped ROOTS はさすがキャビネットシミュレータが好評なML Sound Lab製なだけあって、むしろTonality AJよりも即使える。Amped ROOTSの完成度が高いとも言えますが。

6505+のリードはよかったですけどね、AC30のクリーンも。ただ別に他のでもいいかなと。絶対これ!ってほどの魅力には足りない印象でした。あと結構CPU使います。ミキサーモードで2倍のCPU使用率です。

Andy Jamesフリークの方にはオススメします。しかし今、高クオリティなアンプシミュレータプラグインが多い中で、あえてこれを選ぶ理由はないように思います。

STL TonesであればTonalityよりも無料の「Emissary」+「Ned IR」がオススメです。エクストリームないい音ですよ。そしてアーティストまんまの音が出る「Tonehub」もいいと思います。これはデモを聞いてびっくりしました。すごいです。

また同社から最近リリースされた「Amphub」も気なります!サブスクで$10/月はかなり良いかも。

 

↓公式HP

www.stltones.com