JST Toneforge Misha Mansoor プラグイン レビュー
JST (Joey Sturges Tones) のプラグイン Toneforge Misha Mansoor をレビューします。
独特な音と操作性で、一通りのギターサウンドメイクがワンパッケージにまとまったハイコスパなプラグインでした。
- JST Toneforge Misha Mansoor デモ音源
- JST Toneforge Misha Mansoor プラグインの構成
- 各セクションの音と操作の印象
- 購入時の注意点
- 全体の所感、まとめ
JST Toneforge Misha Mansoor デモ音源
JST Toneforge Misha Mansoor プラグインを使用してデモ音源を作成しました。
ギターはダイレクトにPCインターフェイスで録音し、インサートエフェクトでToneforge Misha Mansoorをかけています。
ギタートラックはミックス段のM/S処理で中央低音成分をベース/キック用に多少下げたのみです。
JST Toneforge Misha Mansoor プラグインの構成
Toneforge Misha Mansoor (以下TFMM) は下記の基本構成となっています。
②アンプセクション:CLN/CRCH/LEAD
③キャビネット/マイクシミュレータ
④ポストエフェクト:Delay, Chorus, Reverb
⑤4band パラメトリックEQ
⑥リミッター
この他に、入出力レベル、入力ゲート、チューナー機能、そして全体のシグナルチェーンのON/OFF 切り替えがあります。アンプはクリーン/クランチ/リードの3ch 構成であり、エフェクト含めギターサウンドの初めから終わりまで1パッケージになっております。
各セクションの音と操作の印象
HORIZON DEVICES PRECISION DRIVE
さすがのMisha Mansoorプラグイン。オーバードライブは当然のようにPRECISION DRIVEです。いわゆるGATE付きのオーバードライブですが、プラグイン版のこちらも実機の評判通り非常に優秀です。TS系ODのようにTONEとVOLをあげて アンプで高域を歪ませることは考える必要がなく、VOLを上げずにATTACKとBRIGHTで抜けと低域のタイトさをコントロールできます。かなーり使いやすいです。これ単体で他のアンプシミュと併用しても良い音がしました。実機の方も欲しくなるレベルです。
アンプセクション
TONE
中央でクリーン(CLN)/ クランチ(CRCH) / リード(LEAD)を切り替えます。
GAIN
中央のノブは無限回転します。回転するごとにメーター(3種類)と画像の数字が I~ VIまで増えます。
I 〜 IVの4種類は音のキャラが異なり、またメーターの位置によってそれぞれに3種類フォーカスする周波数帯の異なる音があります。ゲインのメーターは7段階しかありませんが、音のキャラクターはCLN/CRCH/LEADそれぞれに3 x 4 =12種類あり、合計36種類の音色がある感じです。歪みの微調整はオーバードライブ段でやる感じですね。
I~IVとメーター位置の音のキャラクターは各アンプの CLN/CRCH/LEADチャンネル共通な感じがあります。LEAD CHではだいたい下記のような感じでした。
メーターエリア1: 少し高域抑えめなな音
メーターエリア2: MIDが豊かな自然な音
メーターエリア3: 高域の強調されたドンシャリな音
GAIN " I " : 高域の抜けの良い音
GAIN "II" : MIDが強調された感じ
GAIN "III" : ギャンギャンな高域のドンシャリ
GAIN "IV": Lo-Midフォーカスのゴリゴリな音
全部が全部使える音ではないですが、どのチャンネルもGAIN " I "は使いやすい感じです。
EQ
LOW/MID/HIGHのオーソドックスなEQです。5150アンプのようなMIN, MAXあたりで急に変化しその他は微調整のような効き方です。
CHARACTER
TIGHT/SAT/PURRとあります。TIGHTとSATはなんとなくその通り効いている感じがあります。PURRはパームミュート時の低音の残り具合みたいなものを調整できます。あまりあげすぎると低音が潰れる感じがあります。ここの3つのコントロールはこれまでのアンプには存在しなかった概念で、独創的で非常に良いです。他のアンプでもPURRノブが欲しくなります。
TOP END
RANGEで高域の周波数選択、PRESで高域のレベルを上げます。音抜けに相当影響します。EQのHIGHと合わせて慎重な設定が必要な感じがあります。
HARMONICS
あげるとかなり高い部分の音が強調されます。結構耳につく感じになります。上げすぎないくらいで使うのが良さそうです。
COMPRESSOR
自然なコンプというよりはダイナコンプのような感じですね。クリーンの時に使いやすいです。
キャビネット / マイクシミュレータ
あまり自由度はなくキャビネットとマイク(4種類)を選べるます。外部IRロードもできます。某所のレビューではJST Matched CABがいいと書いてありましたが、ちょっとミドルに寄りすぎなかなぁと。個人的にはML Sound Lab Cabが一番使いやすく、音もいい印象です。
ポストエフェクト
Delayだけ使いましたが、かなり良い音しますね。アナログディレイエフェクターっぽい自然な馴染み方します。
パラメトリックEQ
結構大雑把な設定しかできませんが、周波数帯域が良いところで効くので過不足ないと思います。キャビネットSIMがシンプルなのでここで微調整できるのはありがたいです。
リミッター
最後にリミッターがあります。リミッターと書いてありますがコンプですね。シンプルな操作系ですがここも効き方は結構自然です。
シグナルパス
下側に各セクションのON/OFFがあります。MAGICというのがTFMMの音のキモになっており、中高域が相当変わります。CABの後ろにあるので、TFMMのキャビネットSIMはこのMAGICありきの音になっていると思います。逆にサードパーティーIR使用時は MAGIC OFFが良いかもしれません。
その他
結構動作は軽い方だと思います。また、Stereo/Mono切り替えがなく自動です。これが地味に使いやすいですね。
購入時の注意点
STAY HOMEの影響でかなり値下げしており、あまりいろいろ調べず勢いで買ってしまったのですが、下記について少し後悔しています。
TFMM Advanced
TFMMには通常版とAdvancedという機能拡張版があるのですが、このAdvancedはJSTにVIP登録をするか、通常のTFMM購入ページとは別にあるToneforge Metal Starter Packというバンドル版にしかありません。Advancedではさらにいろいろいじれるようです。どうもMishaやその他有名youtuberの設定を真似ても同じような音が出ないので、Advancedで設定できるところに何かあるような気がしています。
Metal Starter Pack
Tonefroge Metal Starter PackはTFMM Advancedの他にHellraiserというベース用プラグイン、Misha作成のTFMM用プリセット、その他JSTチュートリアルや期限付きですがVIP会員権までありながら価格は大幅値下げされて$120ほど(ブログ書いている今もこの値段でした)と、相当お得です。
実は通常版のTFMMには自分で作る以外のプリセットがないです。だいたいこういうプラグインはプリセットを自分用にカスタマイズするところからスタートしたいので、これは相当厳しいです。TFMM購入者はMetal starter packへの特別価格も用意されていますが、総額では上記の価格より高くなってしまったので、よく調べてからMetal Starter Pack買えばよかったと後悔・・・。
全体の所感、まとめ
ギタープレイ自体を派手に色づけしてくれるような印象です。劇歪みですが荒々しい感じではなく、滑らかで整っているような、そしてよく抜けるというとても不思議なサウンドです。低音リフ、パームミュートなど非常に際立つ音ですが、一方でコード弾きではしっかり馴染むという音色的にはメタルで扱いやすい感じになってくれます。
音のキャラクターはかなり個性的なのですが、そのバラエティーが豊富で奥が深く、音作りは少し難しい部類かもしれません。しかし各エフェクトのクオリティの高さ、TIGHTとPURRなどこれまでになかったけれども、メタルサウンドメイクに求められていたコントロールがとても良く、プラグインとしては非常にオススメです。
↓公式HP
↓通常版TFMM
https://joeysturgistones.com/collections/toneforge/products/toneforge-misha-mansoor
↓TFMM Advanced同梱のMetal Starter Pack
https://joeysturgistones.com/collections/bundles/products/toneforge-metal-starter-pack