ギター_メタル_stratakkブログ

ギター、音楽関連の趣味の話題を扱います。

EVH 5150III アンプシミュレータープラグイン 比較 レビュー

VAN HALENのシグネイチャーアンプとして人気の EVH 5150IIIですが、元々のヴァンヘイレンアンプであるPeavey 5150のプラグインに比べて意外とEVH 5150IIIのプラグインは数が少ないようです。今回はこのEVH 5150IIIをモデリングした、3つの単体系アンプシミュレータプラグインの比較レビューをします!

EVH 5150III プラグイン比較デモ音源

プラグイン比較デモ音源を作成しました。音源はプラグインを変えたのみです。今回はGIBSONレスポールカスタムを使いました。全てブリッジピックアップ(Bare knuckle製Juggernaut) で弾いています。

youtu.be

前半はハードロックなトーンでVAN HALENの「Unchained」のリフを弾いてみました。後半のモダンメタルトーンはオリジナルの曲です。

比較したプラグイン

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EVH 5150 amp sims

今回下記3つのEVH 5150III アンプシミュレータを使っています。

①Audio Assault AHM 5050

②STLTONES TONALITY ANDY JAMES

③ML sound LAB, ML ROOTS 5034 Fluff

各アンプシミュレータの特徴と音の感想

1. Audio Assault AHM 5050

AHM 5050 概要

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AHM 5050 -EL34

最近、急にレベルが上がりかなり音のいいプラグインを連発しているAudio AssaultからリリースされたEVH 5150IIIシミュレートプラグインです。特徴は「BALANCE」というノブで、パワーチューブを6L6とEL34の間でミックスできる点ですね。パワー菅によって中高域のトーンが結構違うのでブレンドすることで、実機にはない音色を作れます。また、EVH 5150IIIアンプとしてのLEAD/CRNCH/CLEANの3チャンネル構成になっています。

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AHM 5050 setting

AMP MODELで「STANDARD」と「MY AMP」というのが選択できます。解説によると「実際、電子部品や状態によって同じアンプといえど千差万別であって、MY AMPにするとあなただけのアンプサウンドになる」とのことです。効果のほどはというと、STANDARDとMY AMPで確かに違うかな?でも違うと言われなければ気づかない、か、言われてもわからないかも?くらいの差に思います。コンセプト通りとは思いますが明確な差分見たいのは特にないですね。試みとしては面白いと思いました。

AHM 5050プラグインの音と操作感

デフォルトのキャビネットIRの「AHM5050 4 x12」が非常にマッチしておりかなりいいです。EVHらしい突き抜ける高域はそのまま中低域が実機よりもアグレッシブなサウンドで、モダンメタルサウンドとしては文句ないです。パワー菅のキャラクターによって6L6だとよりドンシャリに、EL34だと少しピークになる帯域が上がり、リッチな感じが出ます。EL34にした時にはハードロックな音も非常に気持ちがいい!コントロールもよく効きますし音作りの幅はかなり広いです。

STLTONES TONALITY ANDY JAMES

TONALITY ANDY JAMESプラグイン概要

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STLtones-AJ

TONALITY ANDY JAMESではEVH 5150IIIはLEAD CHのみで、他にはCLEAN CHとしてVOX AC30、もう一つのアンプとしてPEAVEY 6505アンプが選択できます。こちらはパワー菅がEL34/6L6/KT88とセレクト可能になっています。詳しいレビューは下記をご参照ください。

stratakk.hatenablog.com

TONALITY ANDY JAMESの音と操作感

以前詳細レビューをしましたが、あの時から現在はバージョンアップしています。いまいちな原因であったキャビネットシミュレータが全く新しくなり、広域の抜けが非常に改善され、かなり良くなりました。マイクの角度まで設定できます。

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STl-AJ-cab

改めて聞くと、このプラグインはなんというかかなり自然なアンプの響き方をするように感じました。キャビネットが改善されたおかげで高域が抜けて、音作りの幅がかなり広がったと思います。中域がリッチでソロやハードロック的な音がいい感じです。一方でモダンメタル的にミドルを削ろうとすると、BASSをかなりあげねばならず(MIDを下げるだけだともあんまりドンシャリにならない)低域が多すぎな感じがあります。

ML SOUND LAB. AMPED ROOTS

AMPED ROOTSプラグイン概要

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AMPED Roots

ML SOUND LABから出ているAMPED ROOTSというアンプシミュレータがあり、EVH 5150IIIシミュレートの「5034 Fluff」 というアンプモデルだけならなんとフリーで使用できます。あまり詳細な設定などはできませんが、CAB SIM、プリエフェクトもありフリーということを考えると十分すぎるかなと思います。購入することで使用できるアンプがあと3つ増えます。

AMPED ROOTS 5034Fluffプラグインの音と操作感

かなりファットなサウンドですね。VAN HALEN的なハードロックな音は単体では出せず、別のキャビネットIRなど使用する必要があるかなと思います。しかしモダンメタルサウンドは単体でもかなりマッシブで使いやすい音が作れました。実機に似てるか?と言われると「歪み方がそれっぽい」というレベルかなと思います。「メタルで使いやすい、いい音が出るアンプシミュレータ」という感じかなと思います。残念な点といえばステレオモードがないことくらいですかね。2ch立ち上げないといけないし、地味に面倒かもと。

3つのプラグイン全体的な所感、まとめ 

今回は特に「外部IR使用せず、単体でどうか?」というところをポイントにしましたので、それぞれが非常に特徴的です。個人的な印象は下記の通りです。

■Audio Assaut AHM 5050: 

一番アグレッシブなサウンド。音作りの幅も広い。何よりデフォルトの「AHM5050 4x12」キャビIRが優秀すぎる!

■STLTONES TONALITY ANDY JAMES

スムーズなトーンが向いている。ロック〜ハードロックくらいのミドルが大切な音が得意な感じ。実機にはもっとも近いかもと思います。

■ML SOUND LAB. AMPED ROOTS 5034Fluff:

とにかく音が太い!メタル〜メロコアとかそのへんのコードでゴリゴリ弾く感じには一番マッチしそう。低音重視ならこれかなと思います。 

やっぱりEVH 5150IIIシミュレータとしては、AHM 5050がおすすめかなと。JST Toneforge Misha Mansoorと少し似た音の印象も感じました。DJENTも全然いけますね。現時点でのEVH 5150 IIIプラグインとしては最高ではないでしょうか。また価格も安いんですよねAudio Assault。値段に見合わないクオリティの高さだと思います。

↓公式HP

audio-assault.com

 

Amped Roots Freeml-sound-lab.com

 

Tonality - Andy James Guitar Plug-In Suitewww.stltones.com

 

 

MOTU M2 と M4 どこが違う?

先日MOTU M2を購入して使用していたのですが、色々調べてみたりした結果、MOTU M2→M4へ乗り換えました。一通りの比較はいろんなところに書いてあるのですが、実際に使ってみてわかったM4の利点を書きたいと思います。

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MOTU M4

INPUT/PLAYBACKボリュームが便利

M2とM4の便利さでもっとも大きいのがここだと思いました。M2とM4の信号系統を簡単にですが描いてみました。

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M2-signal-flow

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M4-Signal-flow

 

ポイントはM4にある「INPUT/PLAYBACK」ボリュームです。製品のぱっと見だとINPUT3/4のモニターレベルみたいなものかと思っていたのですが、全入力のダイレクトモニターミックスとUSBからのモニターレベル調節でした。

M2はINPUTの GAIN = 録音レベル=モニター時のレベルなので、「もうすこし録音してる側の音量を上げたい」とか、「バックの音を上げたい」とか思った時には、DAW側でバックのドラムの音量を小さくしたりの操作が必要でした。そして再生するときはまた音量を調節したりと、結構操作が多くなってしまいます。

M4はそこでINPUT/PLAYBACKボリュームがあるので、DAW側の操作なく本体のボリューム操作のみでモニターのバランス調節、再生時の音量調節ができて、非常に便利でした。

Output3/4でモニター系統を作る

M4を実際に使う前は「Output3/4があれば、これを録音時のモニター用の系統にする」というのができそうで便利そうかなと思いました。しかし、これを実現するにはDAW側でOutput3/4にルーティングする系統をメインとは別に作らないとできず、ちょっと面倒でした。上述のINPUT/PLAYBACKボリュームを使って簡易的にできる方が便利でした。

入力の性能が違う!

ここのレビューによるとどうも入力性能がM2よりもM4の方が良いようです。同じ回路、同じ部品だとは思うのですが。。。

www.audiosciencereview.com

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M4-performance-comparison

このレビューでの測定にはちゃんとAudio Presiconを使用しているので、性能の理由は不明ですが事実ではあると思います。※Audio Precisionはオーディオ機器開発におけるリファレンス測定器です。

この性能グラフ見るとM4の性能がいいという以外に、Focusrite Scarlet2i2の性能の高さにも気づきました。こちらも低価格に似合わない高性能ですね。

M2とM4どちらが良い?

価格が違いますし、機能的には「大は小を兼ねる」でM4の方が良いのは当たり前なのですが、INPUT/PLAYBACKボリュームの便利さで、M2よりもM4の方が総合的なコスパが高いように感じました!私としてはM4の方が断然おすすめですね。M4のデメリットはM2に比べて、少し横幅が大きいことだけだと思います。

MOTU M2/M4を買うならどこが良い?

まだまだ品薄なようですね。サウンドハウスでも2 ~ 5か月待ちのようですし、日本代理店のハイレゾリューションでも予約受付のみです。が、在庫が全然ないのはどうも日本に入る数が全然ないというだけで、アメリカなどでは常時在庫はないものの、すぐ入荷するようです。
今回私は 下記B&Hで購入しました。海外のサウンドハウス的な感じですね。

https://www.bhphotovideo.com/

在庫がなかったので予約しましたが、予約から3日ほどで入荷連絡→輸出連絡(DHL)から1.5週間で商品が自宅配送されました。また値段も税金&送料込みでもサウンドハウス価格よりも若干安い!当然英語のみですが、難しいところはありませんし、翻訳サイトを使用すれば特に心配もないと思います。妙なプレミア価格でフリマサイトやオークションで買うより断然おすすめです。

 

NEMBRINI AUDIO BLACKICE BETA GAMMA プラグインレビュー

NEMBRINI AUDIO ベースアンプシミュレーター プラグインBLACKICE BETA GAMMAをレビューします。DarkglassのAlpha Omega 900を元にしたベースアンプシミュレータです。ハイクオリティなギターアンププラグインをいくつもリリースしてきたNEMBRINI AUDIOがここにきてベースアンプの単体プラグイン!そしてまさかのDarkglass!! 期待以上でした。これはいい!

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BLACKICE BETA GAMMA-1

BLACKICE BETA GAMMAプラグイン デモ音源

BLACKICE BETA GAMMAプラグインを使用してデモ音源を作成しました。

ベースはダイレクトにオーディオインターフェイスで録音し、インサートエフェクトでアンプシミュレータをかけています。

ベースはBacchus TF-ASHを使用しています。イントロはネック側PU, そのほかはブリッジ側PUで弾いています。後半にベースにフォーカスしたミックス&ギターレスで、特長的な歪みの音色「BETA」「OMEGA」ごとに音を変えパートを入れています。

youtu.be

 

BLACKICE BETA GAMMAプラグインの構成

BLACKICE BETA GAMMAプラグインは下記の構成となっています。

①アンプセクション

②キャビネットセクション/入出力調整

各セクションの音と操作の印象

アンプセクション

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BLACKICE AMP part

ディストーションのON/OFF、EDGEとPUNCH(実機でのBITEとGROWL)、COMP。特長である2種類の歪み(BETAとGAMMA)とそのblend具合(MOD)、クリーン音/ディストーションのblend、6バンドGEQなど実機とほぼ同じUIですね。

COMPは結構緩やかに効くタイプですね。自然な効き方をする印象です。

ディストーションのBETAとGAMMAですが、BETAがローミッドが特徴的な歪みでズンズンくる感じがあり、GAMMAはハイ寄りでギャリギャリした歪みです。GAMMA100%だとちょっと高音が耳につくので、どちらも混ぜた位置が音的には使いやすいように感じました。またDRIVE、MOD、BLEND、LEVELの組み合わせで結構音が変わるので奥が深い一面も持っています。

Darkglassの特徴であるEQの帯域も非常につかやすく良いですね。

キャビネットセクション

ここではキャビネットエミュレータとIRローダー/バイパスを切り替えられます。この画面で、アンプも含めて、入出力音の調整も全ての機能が調節できます。

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BLACK ICE CAB part
キャビネット/マイキングシミュレータ

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BACKICE-CAB select

キャビネットは定番のAmpeg SVT 4x10、SVT 8x10の他に Ampeg B-15、HERTKE 4x10があります。HERTKEのスピーカーエミュレータとか結構珍しいのではないでしょうか。これがまた、抜けが良くてハムバッカーには非常に良い組み合わせでした。デモ曲でもHARTKE使用しています。

マイクはEVのRE20, NEUMANN U47, SENNHEISER MD421, AKG D12とベース〜バスドラムなど低音系に良く使われるものがチョイスされています。また、スピーカーの他に DI出力もミックス可能で、こちらはトーンとLPF/HPFで音質を調整できます。

入出力調整

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BLACKICE IO Adjust

入出力のレベルとノイズゲートに加え、低音のエンハンサーがあります。こちらは強調する周波数を選択可能です。

IRローダー

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BLACKICE IR loader

IRローダーは3rd partyも選択可能ですがそもそもデフォルトで結構な種類が用意されています。こちらはベース用キャビネットはSVT 2X12とこれまた珍しいキャビネットのIRがあります。しかもベース用はこれだけで他はギターアンプのキャビネットになっています。

プリセット

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BLACKICE Preset

プリセットがベースだけでなく、ドラム、ギター、キーボード用があります。まだ試していないですが意外といいのかも?

全体の所感、まとめ

キャビネット/マイクエミュレート、DI出力にコンプもエンハンサーもおよそベースの音作りに必要なものが全部入りという感じの充実っぷりです。基のアンプが歪みにフォーカスされていますが、クリーンサウンドもかなりいいです。個人的にHERTKEのキャビが好印象でした。Ampegキャビネットによる重厚な低音もいいのですが、メタルやハムバッカーのベースで使うと埋もれがちなんですよね。HERTKEの明るいサウンドによって、低音のアタックがしっかりありながら、ベースラインが映える音にできると思います。

また、キャビネットとマイクの選び方、GEQの設定でローファイなテイストも自然な感じも全然作れます。根底にあるのがモダンベースサウンドであるがゆえに、良くあるアンペグのベースアンプシミュレータなどと比べると、音のジャンルのカバー範囲は相当広いと感じました。

オープニングセールはもう終わってしまいましたが、NEMBRINIは頻繁にセールやってるので狙い時は多いと思います。相当おすすめです!!

 

↓公式HP

Blackice Beta Gamma Bass Amplifierwww.nembriniaudio.com

MOTU M2 レビュー


オーディオインターフェイスMOTU M2にしました!

発売当初から人気な上にコロナウイルスでの生産停止もあり、未だ予約が必要なほどの売れ行きのようです。ハイレゾリューションのHPから予約し、注文から2週間くらいで届きました。だいぶ品薄も解消されたんですかね。

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MOTU M2-1

ピュアオーディオ機器に採用されるESS Sabre32 Ultra™DACテクノロジーを搭載” と、HPにも記載があり出力関係かなり良い感じです。ヘッドホン出力もなかなかで、かなり明るめでクリアな音質です! 

競合機種であるSSL2と迷いましたが・・

solid-state-logic.co.jp

自分は基本ギター/ベース接続でマイク接続しないですし、SSL4000プリアンプ再現は面白そうではありますが、もしSSL4000にしたければ入力音は味付けなく録音してSSL4000のプラグインでもいいしなぁと思いM2にしました。

M2のDACについては特長として記載がありましたが、じゃADCは?と思い色々見ていたところ海外の掲示板で兄弟機のMOTU M4を相当詳細に解析しているのを見つけました。

www.audiosciencereview.com

そもそもここまで解析されて掲示板にのせてしまうんですね・・・。このレポートによると、M4(M2)は音響関連での主要部品は下記のようです。

DAC: ES9016S

ADC: AK5552VN(M4はAK5554)

MCU(USBコンバート): XMOS XU216-256-TQ128-C20

入出力オペアンプ:OPA1768, 4580R(ROHM?),

ヘッドホン用バッファオペアンプ:OPA1688

入力ゲイン調整アンプ:THAT6263 

ESSと並んで各部品も最高級!とは言うレベルではないようですが、ADCの旭化成AK5552もD-range 115dBとまずまずの性能です。EINのスペック的には-129dBu達成とのことで設計的に相当なローノイズだと思います。

USBコンバートをしているXMOSは一時期「高音質」ということで話題になっていたと思います。

ヘッドホンアンプ用のOPA1688はRMEのADI-2 DACでも使われているようです。オーディオ特化ですかね。

これらの部品を使いながら約2万円という売価は半端じゃないですね。価格破壊レベルのように思います。特筆するDSP機能はあまりないようですが、”コンパクトでシンプルに良いもの”という要求にはベストマッチだと思います!

h-resolution.com

BRAINWORX Diezel HERBERT プラグイン レビュー

Brainworx (Plugin Alliance)のギターアンプシミュレーター プラグイン Diezel HERBERT をレビューします。これはDiezel公式でNembrini audioがシミュレート部分を担当したプラグインです。同社のVH4プラグインと同様かなり良いです!

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Brainworx HERBERT top

BRAINWORX Diezel HERBERT デモ音源

BRAINWORX Diezel HERBERT プラグインを使用してデモ音源を作成しました。

ギター(Ibanez RG7421PB)はダイレクトにPCインターフェイスで録音し、インサートエフェクトでアンプシミュレータをかけています。

後半にギター+ドラムのみ、ギターソロ+ベース+ドラムにしてよりギターの音がわかりやすいパートを入れております

youtu.be

 

BRAINWORX Diezel HERBERTプラグインの構成

BRAINWORX Diezel HERBERTは下記の構成となっています。

①アンプセクション:CH1~CH3
②FXラック(入出力調整、レコーディングチェイン、ポストエフェクト)

各セクションの音と操作の印象

アンプセクション

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HERBERT plugin amp part

CH1クリーン、CH2:クランチ〜ディストーション、CH3;ディストーションとなっています。とにかく全CH音が良いです。

CH1クリーンは素直な音で、BASS/MIDDLE/TREBLEのEQ とDEEP/PRESERNCEのコントロールも合わせてかなり音色の幅があります。

実機同様CH2は「-/+」の切り替えでゲインが変化します。CH2はクランチからCH3と同様のディストーションまで幅広いです。CH2とCH3 は結構音色が違い、CH2はCH3よりもフラットな音で歪みに荒々しさがあります。CH3はCH2よりもマッシブな音で歪みが細かく重厚な響きをします。

各CHのEQのMIDDLEとMIDCUTの設定バランスでかなり音の印象が変わります。

FXラック

右上の「FX Rack」をクリックするとアンプ以外の調整項目が現れます。

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Brainworx Diezel HERBERT FX rack
入出力調整

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HERBERT-I/O edit 1

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HERBERT-I/O edit 2

ノイズゲート、フィルタ(Tight/ Smooth)、Input Gain、Power Soakと一通り必要なものが揃っています。「Tight」と「Smooth」はそれぞれ低域、高域のフィルタとなっており、挿入位置をアンプの前段/後段から選択できます。

Power Soakはプラグイン自体の出力レベル調整となっており、アンプのマスターVolumeをあげてパワー管の歪みを足し、このPower Soakで全体の音量調整という感じですね。ここはVH4プラグインと同様です。

レコーディングチェイン

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HERBERT Rec Chain

キャビネット/マイク/録音時のプリアンプ/録音時のプリEQ までのシミュレートとなります。数字で一つ選び、右側の「RC Infoボタンを押すと、キャビネットと使用しているスピーカーユニット、マイク、マイクプリアンプ(卓)、EQの詳細がみれます。かなりの種類があります。選べる大枠の種類(キャビネット)はVH4と同様Diezel, Marshall, Mesa/Boogie, Orange, Shurなのですが、各キャビネットの搭載しているスピーカーユニットやマイクとプリアンプの組み合わせがVH4と全然違います。HERBERTに合わせてありますね。

HERBERTにはMESA 4X12 (スピーカーはCelestion V30)が全体的に結構良い印象でした。またマイクはノイマンのCMV563を使ったもの、プリアンプはNEVE VXSとAMEK9098を使ったものがどれも結構い感じでした。余談ですが、スピーカー/マイクシミュレータやキャビネットIRを色々使っていると、こういったマイクや卓ミキなどの定番ものにも詳しくなって来ますね。

ポストエフェクト

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HERBERT Post EFX

アンプ後段のエフェクトとしてDelayがあります。コントロールはいたってシンプルなディレイです。ここはVH4同様ですね。

全体の所感、まとめ

音もよく動作も軽い。最高です。クリーン、クランチ、ディストーション全ていいです。歪みのきめ細かさや重厚な中低域はまさにメタル向きで、考えようによってはVH4よりもHERBERTの方が汎用性あるかもしれません。VH4はHERBERTに比べると荒々しくワイルドな感じなんですよね。VH4もメタルも全然いけますがHERBERTのような音は出ませんし、HERBERTでVH4のようなザラッとした歪みも出せないです。両方持っていても使い分けられるくらい、方向性が違うと思います。

メタルメインならHERBERTの方がオススメですね。荒々しいロックやパンクなどがメインならHERBERTよりもVH4のがいいと思います。

Brainworxでは他にも色々アンプシミュレータはリリースしていますが、Diezelの2機種の完成度は段違いに素晴らしいですね。Nembrini Audioのアンプシミュレータ+Brainworxのキャビネット/マイクシミュの奇跡のコラボ的なプラグインに思えます。
少し価格は高いですが、そこはPlugin Alliance。頻繁な値引きを狙いましょう!最安で$29.99で買える機会が年に何回かあります!

↓公式HP

www.plugin-alliance.com