Neural DSP プラグイン比較 レビュー
Neural DSP の単体アンプシミュレータを比較してみました!どれも個性的かつクオリティの高いプラグインであることを再認識しました!
Neural DSP プラグイン 比較デモ音源
プラグイン比較デモ音源を作成しました。
ギター以外は全て同じ、ギターもプラグインを変えたのみです。
それぞれのプラグインをプリエフェクトからキャビネットシミュレータまで丸々比較という形にしました。それぞれで私好みなモダンメタルな音を作ってまとめました。結構音が違って違和感あるように思いますが、一つのプラグインで一曲通すと全くそんな感じはしないです。
比較したプラグイン
今回下記4つのNeural DSP製単体ギターアンプシミュレータを使ってみました。
どれも基本的な構成は同様で
プリエフェクト(ゲート/オーバードライブ)、アンプセクション、キャブネット・マイクシミュレータ という構成です。
各アンプシミュレータの特徴と音の感想
Fortin Nameless Suite
Nameless Suite概要
元になったアンプは Fortin MESHUGGAHで、メシュガーのフレドリックトーデンダルのシグネイチャーアンプです。マーシャルを元にしたハイゲイン改造系のようです。個人的にそこまでメシュガーフリークではないですが、バンドとしては機械的な音と精密なリズムリフが印象的ですね。ただリズムが複雑であまり長く聴いていると疲れる笑
Nameless SUITEの音と操作感
立ち上げたデフォルトの状態で「なんだこれ!いいぞ!!」と思えます。すごいハイ寄りなんですが突き刺さらない絶妙なところです。
プリエフェクトではZUUL(ゲート)/ HEXDRIVE(TS系OD) / GRIND(ハイブースター)がありますが、アンプ自体がハイ寄りなのでGRINDを使うととんでもなくギャンギャンになりました。GRINDとNamelessの組み合わせは難しいかも...。
GAIN 1とGAIN 2でそれぞれ歪む周波数帯が違うのでうまく設定する必要があります。キャビネット・マイクの設定次第でマイルドな音も出るので、シンプルな操作性ですが非常に奥が深いです。
ハイ寄りなんですが、ミックスすると低音もしっかり聴こえてかなりいいですね。またソロの単音もすごくいいです。粘りととても気持ちの良いチューブ歪みの飽和感があります。
Neural DSPとして初期に出したものなせいか、シンプルな名前のプリセットで数も少ないですが、即使えるものが多い印象です。
Fortin NTS Suite
NTS Suite概要
元になったアンプは Fortin NATASですが、これはそもそもRandall SATANと同設計(SATANがそもそもマイクフォーティン設計)のようです。Youtubeでの多数の機材レビューで有名なOla Englundシグネイチャーアンプで、SATANを逆さ読みしてNATAS、と。Ola所属のFEAREDのサウンドなんかは割とオーソドックスなモダンデスメタルという感じでDjnetではなくもっと素直にヘヴィな音という印象でした。
NTS Suiteの音と操作感
こちらも6IRTHと6RINDというつまみが周波数ごとに違う歪み方を担っており、ハイゲインチャンネルのキャラクターの幅は広いです。Namelessに比べると高音の突き抜けた感じは少なく、丸みを帯びたような印象です。音の扱いやすさとしてはある意味NTSの方がいいかもしれませんね。その他のEQも素直な効き方です。
リズムのサウンドでは低音のブリブリした感じがあり、リフは結構映えますね。単音ソロは少し丸い感じがあるかなと。Namelessよりも全体的に少し太い音に感じられました。ただ個人的には、割とオーソドックスな音であるがゆえに、設定を決めきれないというか、いまいち「これだ!」というハマる設定にならない感じがありました。またプリセットが基本ほとんどこもり気味な感じです。もしかしたらEMGの乗ったギターとかだと少し印象が変わるかもしれないですね。
Ola Englundプリセットもあるのですが名前が無茶苦茶で(「もう弾きたくない」とかそんなの)どんな音か全く想像がつきません笑
Omega Ampworks Granophyre
Omega Ampworks Granophyre概要
SlipknotのミックトムソンがOmega ampworksのIridium(その後Granophyreに名前を変えたようです)やObsidianというアンプを使用していた?いる? ようです。最近なんでしょうか。Omega ampworksは2010年にアメリカでスタートしたハイエンドカスタムギターアンプ/キャビネットのブランドだそうです。
Omega Ampworks Granophyreの音と操作感
ゴリゴリのクールなドンシャリという見た目通りのイメージの音が出ますが、LEVELの位置に応じて低域の潰れ感と飽和感をコントロールでき、温かみのあるチューブサウンドも出ます。また今回の4つのプラグインでは唯一、キャビネットを2種類から選ぶことができ、モダンメタルらしいソリッドな音からビンテージ感のあるキャラクターまで作ることができます。クリーンは出ませんが歪みのキャラクターは意外に広くプラグインとしてかなり完成度が高いです。
リフではソリッドな低音と抜ける高域が良く、単音ソロも飽和感が出せてかなりいいですこのプラグイン。プリセットも良い設定ばかりで、そのまま使えるレベルです。
Fortin Cali Suite
Cali Suite 概要
Fortinの3チャンネルフルチューブアンプが元になったプラグインです。クリーン/OD1/OD2とあり、マーシャル的なコントロールにBRIGHT, VIOLENCE, HAIR, THUMPのキャラクターを変えるコントロールが追加されています。Fortinでもっとも適用範囲の広いプラグインと解説があります。
Cali Suiteの音と操作感
ODチャンネルのGAINの構成はNamelessやNTSと同様ですね。また各コントロールも効果がわかりやすいです。本当にいろんなジャンルの音楽のギターに対応できると思います。透き通ったクリーンもダーティーなクランチもかなり良いです。ただ、モダンメタル系としてどうかというと、ODチャンネルがどちらもこもり気味なんですよね・・・ 。NTSもそうでしたが、プリセットが全然そのままでは使えない(メタル音を求めると、です)。かなりトレブリーな設定にしていくと確かに抜けの良い音が出せましたが、ピーキーな設定にしている分癖が強くなってしまい、「モダンメタルをこのプラグインでやるならもうこの音!」という、ある種アンプの強烈な個性を感じました。逆に迷わなくて良いかもですが。
適用範囲は広いと思いますが、メタル向きではないと思います。いろんなジャンルに1台で対応したい、というのであればCaliが最適だと思います。
4つのプラグイン全体的な所感、まとめ
4つのプラグインはどれも相当クオリティが高いです。何を求めるか、やりたいかで選ぶと良いと思います。下記が個人的な見解です。
CPU使用率ですが
Nameless = Cali > NTS > Granophyre くらいの感じで結構差があります。
個人的な好みとしてはやっぱりデフォルトですでに音が良かったNamelessとOmega Granophyreです。特にGranophyreは気に入りましたので、下記に詳細なレビューをしました。こちらもご覧ください!
Neural DSPは単体アンプの他にアーティストとの完全コラボのArchtypeシリーズもあるのでこちらも今後試してみたいと思います。
↓公式HP