NEMBRINI AUDIO CALI DUAL プラグイン レビュー
NEMBRINI AUDIO のプラグイン CALI DUAL をちょいレビューします。
Mesa/Boogie Dual Rectifierのプラグインです。少し使ってみたのでレビューします。
NEMBRINI AUDIO DUAL CALIプラグインの構成
NEMBRINI AUDIO DUAL CALI は下記の構成となっています。
各セクションの音と操作の印象
アンプセクション
CH1~CH3まで操作系はDual rectifierそのままです。Ch1のClean/Pushed切り替え、CH2, Ch3のRaw/Vintage/Modernそれぞれ歪み&音質の切り替えがあり音の種類は多いと思います。また左側には実機のリアパネルにある電源電圧設定と整流器(Tube/Diode)選択があります。
Dual RectifierはHR/HMで定番ですが、個人的にはアンプ単体でしっかり歪むハイゲインアンプというよりも、前段にオーバードライブ必須のクランチ〜ドライブセッティングの時にいい音がするアンプだと思います。よくあるレクチ系のプラグインってゲインを最大まであげても結構綺麗に歪むのですが、ゲインをあげすぎると潰れすぎてファズっぽくなるあたり、このDual Caliは同じ動きをします。実機再現度高いと思います。
キャビネット/マイクシミュレータ
一つのキャビネットにマイクを2本立てられる感じです。キャビネットはMESA4x12/Marshall 4x12/PEAVEY 4x12/ORANGE 4x12/Bogner 2x12/Fender 2x12とあり、マイクはSHURE 57/ゼンハイザ412/AKG 414/ROYER 121の4種類の組み合わせ+スピーカーからの位置、オフマイクが選べます。設定の種類は幅広いのですが、どうもピーキーで調整は難しい部類に入るかなと思います。AmbienceマイクのCHもあるのですがいまいちな印象です。クリーンなら使える?かも。
IRローダー
IRのファイルもデフォルトでいくつか用意されています。キャビネットSIMよりもこちらの方が使いやすい印象です。3つのIRファイルまで同時に読み込め、合成した周波数特性も表示可能です。この機能は他のIRローダーではあまりみたことがない機能ですね。
その他
入出力レベル、高域低域のフィルタ、ゲートがあります。入出力レベルのメーターは、これも意外と他のプラグインにない見やすい仕様で便利だと思います。
全体の所感、まとめ
かなり実際のアンプに近いのではないでしょうか。Dual Rectifier風ではない、レベルの高いプラグインだと思います。逆に言うと、単体ではMix Readyな音は全く出ない印象です。前後にOD系のエフェクターやEQ処理が別途必要です。昨今の単体でMix readyな音を作れる他のプラグインと比べるとコンセプトが違うのだろう、とは思いますが定価$137はかなり割高かな。本物のDual Rectifierを待ち望んでいた方はセール時の今買っておくべきと思いますよ!
↓公式HP(10月末までオープニングセール$29.99)
Cali Dual Three Channels Guitar Amplifierwww.nembriniaudio.com
ギターピックレビュー
少し前ではありますが、ピッキングフォームを完全にイチから修正し始めた時に、慣れないフォームのために初心者練習フレーズしか弾けなくなりました。しかしピックをそれまで使ってきたものから変えたところ、それだけでかなり弾きやすくなりました。以前は「どれ使っても別に大して変わらない」と思っていたのですが、この時ピックによるひき心地に非常に敏感になっており、ピックに対する感想が物によってかなり違う印象を持つことができました。その時にいくつかピックの種類を試しましたので、それらをレビューしたいと思います。皆様の購入/検討の参考になればと思います。
今回試したピック
Ibanez
Ibanez Paul Gilbertピック
ギターを始めてHR/HMしか弾いてなかった時に愛用していました。大きさや、タッチも良く早弾きにもパワーコードにも良いです。写真の赤と黒ですが、微妙に形が違います。黒の方が先端が赤よりも丸いです。結構ピッキングのタッチが違います。個人的には赤の方がアタックがうまくでて弾きやすいと思いました。この他にもいくつか色ありますが、微妙に違うかも?柄による形状の差かもしれません。とにかく結構違いますので、購入時は色の注意必要です。フォーム修正後もこのピックはそこそこ弾きやすく感じました。
Ibanez Steve Vaiピック
ピッキングフォーム変更前にメインで使っていました(=フォーム修正中にひきにくく感じたのもこれです。)当時ギターロックバンドを組んでいたため、コード主体で単音弾きをあまりしませんでした。そのためこれより前に使用していたポールピックよりもコードがひきやすいもので、単音も結構弾ける良い感じのがこれでした。よく削れて寿命がそこまで長くない印象ですが、削れることによるアタックが結構いい感じです。コード主体で弾く方にはかなりオススメです。逆に単音の早弾きには全く向いていない気がします。結構ヴァイのフルピッキングはパワー系な気がしますが、このピックのせいかもですね。
Jim Dunlop JAZZ IIIシリーズ
左からノーマルJAZZ III, JAZZ III XL, ULTEX JAZZ III, ULTEX JAZZ III XLです。ピッキングフォーム修正中に、特にひきやすく感じたのがJAZZ IIIシリーズでした。
JAZZ III
定番のようですね。実は自分は「小さすぎる」という理由から使っていませんでした。フォーム修正中はとにかくJAZZ型がとてもひきやすく感じました。でもやっぱり小さいですね。厚みもあるのでアタックが結構丸い感じです。表面のモールドのおかげでグリップは結構良いです。
JAZZ III XL
自分にはやはりJAZZ IIIは小さすぎて、このJAZZ XLの方が良い大きさに感じました。厚さはJAZZ IIIと同じと思いますが、アタックがなんだか違う気がするんですよね。先端の形が違う?2つのピックを重ねて比べても同じに見えるんですけどね。何回弾いてもXLの方がノーマルJAZZ IIより少し丸いアタックの印象です。
ULTEX JAZZ III / ULTEX JAZZ III XL
こちらはJAZZ III/JAZZ III XLの素材違いです。この素材のULTEXですが。。。めっちゃいいです!とにかく弾きやすい!弦に当たった時の引っ掛かりみたいなものが他の素材に比べて「適切」です。滑るわけでも引っかかるわけでもなく本当に「ちょうど良い感じ」です。また巻き弦のアタック音(あくまで生音の話です)が良いです。感触もいい。また結構硬いので寿命も長いです。自分はULTEX JAZZ III XLをベースを弾くときのピックにしています。JAZZ III愛用の方は一度試すべきと思います。
TORTEX JAZZ III
左から TORTEX PITCHBLACK JAZZ III 1.0mm, 同1.14mm, TORTEX JAZZ III XL 1.0mm, 同1.14mmです。
TORTEX PITCHBLACK JAZZ III
こちらもJAZZ IIIの素材違いのようです。厚さが種類があります。1.0mm, 1.14mmはノーマルJAZZ IIIより薄いのでプレーン弦のヒット感がより良く、単音は弾きやすいと思います。1.0と1.14はそこまで差は感じませんでした。また、ノーマルJAZZ IIIよりも持つと気持ち大きく感じます。フラットで指の設置面積が大きいから?かわかりませんが(ピック自体の寸法は同じと思います)。「JAZZいいけど厚い」と感じる方にオススメです。ただノーマルJAZZより滑りやすいですね。
TORTEX JAZZ III XL
自分はXLサイズが良いのですが、上記Pitchblackは通常サイズしかないのでXLを選ぶとこちらになります。これはPitchblackに比べると先端の丸くヒット感が弱めです。巻き弦のアタック音も少しザラザラというか、抵抗が大きい感じです。こちらはTORTEXが好きで、もう少し尖った先端を、というユーザーに良いと思います。JAZZ IIIが好きな方にはPitchblackの方がオススメです。
ESP ULTEMピック
私が最終的に落ち着いたピックがこれです(厚さ1.2mm)。素材はDunlopのULTEXと同じようです。形はJAZZ XLに近いと思います。表面がツルツルしていて、弾き心地はULTEX JAZZ IIIよりもプレーン弦へのヒット感が多少弱い気がします。個人的には1.2mmがプレーン弦へのヒット感と巻き弦のアタック音がうまくバランスしていると感じました。またこのピックの特徴のもう一つとして「ESP」の印刷部がザラザラしていてグリップがめちゃいいです。そしてこの印刷自体がとても強く、ピックの先端が削れる以上に持ちます。ピックとしてのトータルの完成度が個人的にもっとも高いと感じました。しかしデメリットが一点あります。「ネット以外で見たことがない」。ESP直系の店舗以外ではまず在庫で置いてないように思います。勿体無い!すごいいいのに!!
その他ULTEM系
結構各社出てるんですよねULTEM。まぁ普通にいいですよやっぱり。プレーン弦へのヒット感と巻き弦のアタック音のバランスが個人的にはULTEMが最高です。
FERNANDES ULTEM
FERNANDESはESP ULTEMと同じ弾き心地です。DUNLOP ULTEXと違いツルツルしています。ESPの方が滑りにくいので、フェルナンデスファン以外の方には私はESPを推します。
SCHECTER ULTEM
SCHECTERは表面が少しさらっとしていてDUNLOP ULTEXと同じ感触です。純粋に弾きやすさと巻き弦のアタック音で言えば、上記ESP ULTEMよりもSCHECTER ULTEMの方が良いです。しかしかなり滑りやすい。。。DUNLOPのULTEX JAZZは文字がモールドになっていてそれなりにグリップが効くのですが、SCHECTERはめっちゃ滑ります。印刷も普通で、ESPのように引っ掛かりません。ツルツル表面のFERNANDESの方が滑りにくいです。というか普通のどのピックよりも滑りやすいかもしれません。音もアタックもいいのに残念極まりないと個人的に感じたピックです。
その他試したもの
Jhon Petrucci JAZZ III
ジョンペトモデルです。これもULTEX素材です。形はJAZZ III XLを一回り小ぶりにした感じです。この大きさすごく良いです。かなり厚い(1.4mm)ですが、巻き弦のアタック音は試した中では一番よかったです。グリップも結構いい。厚みのあるピックが好きな方にはかなりオススメです。個人的にはこれの少し薄いやつがあれば最高だったかもと思いました。
HETFIELD BLACK FANG
こちらもULTEX素材のジェームズヘットフィールドモデルです。ULTEXなのですが、形のせいか普通のピックとあまり差異がないような?気がします。同じ厚さのTORTEX PITCHBLAXK JAZZ III1.14mmと比べると、なんだか安定しないというか。ペシペシしたアタックになる感じがしました。このピックはジェームズのように全てをダウンピッキングできるスラッシュ強者以外使ってはいけないのかもしれません。
MASTER 8 JAPAN INFINIX
世界初の新素材ピックのようです。表面の印刷がESPのULTEMと同様かなりざらついておりグリップが良好です。これの特徴はとにかく尖った先端です!とんでもない尖り方です。ここまで尖ると巻き弦への引っ掛かりが結構大きく音も「ジリジリ」いう高い音の感じです。かなり正確なピッキングができないと使いこなせないような気がします。高音フルピッキング主体のうまいシュレッダーのユーザーには良さそうに感じました。
まとめ
ピックを色々試す中で下記の傾向があることがわかりました。
厚さ
- 厚いほどプレーン弦のヒット感が弱く弾きにくいが、巻き弦のアタック音が低くなる。
- 薄いほどプレーン弦のヒット感が強く、弱い力で弾けるが、まき弦のアタック音が高くなり耳につく。
先端形状
- 尖るほど少ない動作で弾くことができる=早く弾けるが、弦の引っ掛かりの抵抗が強く、弾くための力と持久力が必要になる。
- 丸いほど弦の引っ掛かりが少なく抵抗感が弱く弾きやすいが、ピッキングの動作が大きくなり早く弾くのが難しくなる。
自分にあっているピックというのは上記のバランスの好みなものなのだと思います。あとは大きさ、グリップ感かなと。
今回はいわゆるロック/メタル向きのピック前提でしたが、アコギのストローク中心だったりする方に薄さが、またかなり音に影響する気がしますね。
今はネット購入で厚さも形も色々試せるので、ぜひ新しいより良いものをトライしてみると良いと思います。 ピック一つでかなり弾きやすくなり、それだけで上達が早まると思います。
BRAINWORX Diezel VH4 プラグイン レビュー
BRAINWORX のプラグイン Diezel VH4 をレビューします。
オールジャンルで愛用される現代の定番ギターアンプのシミュレータです。1台のアンプですが、クリーン/クランチ/ハイゲインまで全てが「使える」、まさにDiezelアンプを体現したプラグインでした。
BRAINWORX Diezel VH4 デモ音源
BRAINWORX Diezel VH4 プラグインを使用してデモ音源を作成しました。
ギターはダイレクトにPCインターフェイスで録音し、インサートエフェクトでアンプシミュレータをかけています。
ギタートラックはミックス段のM/S処理で中央低音成分をベース/キック用に多少下げています。
BRAINWORX Diezel VH4プラグインの構成
BRAINWORX Diezel VH4 は下記の構成となっています。
Diezel VH4アンプそのままを再現+α という構成になっております。
各セクションの音と操作の印象
アンプセクション
CH1:クリーン、CH2:クランチ、CH3:クランチ〜ディストーション、CH4:ディストーションとDiezel VH4そのものです。CH1、CH2にはブライトスイッチがあります。EQは各CHにTreble/Middle/Bassとチャンネル共通のPresenceとDeepになります。アンプそのままなのでコントロールについてあまり迷うところはないと思います。
音ですが、絶妙な高域の抑えかたで、太さと抜けの良さが両立しています。かなり独特なサウンドだと思いますが、不思議とどんなジャンルにも合いそうです。クリーンもクランチも歪みも良くて、メタルまで1台でいけるアンプは他にはないのでは?と思います。
入出力調整
右上の「FX Rack」をクリックするとアンプ以外の調整項目が現れます。「Tight」と「Smooth」はそれぞれ低域、高域のフィルタとなっており、挿入位置をアンプの前段/後段から選択できます。このプラグインはプリエフェクトがありませんが、「Tight」「Smooth」「Input Gain」を組み合わせて設定することでアンプ前段にオーバードライブを入れたような設定も可能となっています。ただ結構あっさり目なので、高域の艶のある感じを出したければ、別のプラグインをVH4の前においたほうが良いかと思います。私はデモ音源ではMercuriel製のTSCを入れました(無料の最高に素晴らしいOD808プラグインです!)。少し特徴的な高域を抑えて、よりスムーズなサウンドにできたと思います。
Power Soakはいわばプラグイン自体の出力レベル調整となっており、アンプのマスターVolumeをあげることでパワー管の歪みを足した場合には、このPower Soakで全体の音量調整ができます。
レコーディングチェイン
キャビネット/マイク/録音時のプリアンプ/録音時のプリEQ までのシミュレートとなります。このプラグインのもう一つの肝がここかなと思います。細かい調整はできず選択する形ですが、全部で120種類あり(バイパス含む)音色もかなり幅広いです。50%くらいこの選択で音が決まるかなと感じました。
キャビネットはDiezel, Marshall, Mesa/Boogie, Orange, SHURの5種類あります。個人的にはOrangeとSHURのキャビネットがモダンメタルにとって良い音が多い印象でした。いわゆるキャビネット/マイクシミュレータというよりも、もっとMix readyな音を意識しているように思います。
ポストエフェクト
アンプ後段のエフェクトとしてDelayがあります。コントロールはいたってシンプルなの普通のディレイですが、プラグインというよりもどちらかというとギターエフェクター感があって単音のギターソロなどでは使いやすい印象です。
全体の所感、まとめ
音がかなりいいんですが、動作もめちゃめちゃ軽いです。ハイゲインCHの音の印象としては近年の抜けの良さとエクストリームな中高域が特徴のDjentな感じではなく、もっとゴリゴリな低音重視が得意な印象です。音の太いクリーン/クランチは、シングルコイルのギターで使っても良さそうです。
少し価格が高いですが、Plugin Allianceは結構値引きの機会が多いので安い時に買えば相当なコスパだと思います。私はピンポイントでVH4が安い時に購入できましたので$39.99でした。音が良い、軽い、安い(タイミングが合えば)と最高なプラグインの一つだと思います。かなりオススメです!
↓公式HP
Audiostockに2曲登録されました!
Audiostockに登録してみました。普段メタルな曲を作ることが多いですが、BGM主体ということで、あまりメタリックでない曲を登録してみたところ販売に至りました。
ぜひ聴いてみてください!
いくつか Audiostockで収益を上げている方のブログ等読むと、登録数というのはやはり重要なようです!今後増やせていけたらと思います。BGM用を最初から意識して曲を作るというのはあまりやったことがない気がするので、少し新たな気持ちになれますね。
ジャンルに「メタル」がなかったのが少し残念です。
STLTONES TONALITY ANDY JAMES プラグイン レビュー
STL TONES のプラグイン TONALITY ANDY JAMES をレビューします。
EVH5150III とPEAVEY6505, VOX AC30の少し珍しい組み合わせのアンプ/エフェクトがワンパッケージに収まったプラグインです。日本語のレビューが少ないので、購入検討のお役に立てればと思います。
TONALITY ANDY JAMES デモ音源
STLTONOES TONALITY ANDY JAMESプラグインを使用してデモ音源を作成しました。
ギターはダイレクトにPCインターフェイスで録音し、インサートエフェクトでアンプシミュレータをかけています。
ギタートラックはミックス段のM/S処理で中央低音成分をベース/キック用に多少下げたのみです。
TONALITY ANDY JAMES プラグインの構成
TONALITY ANDY JAMES は下記の基本構成となっています。
②アンプセクション:AMP1(5150III)/ AMP2(6506+) /AMP3(AC30)
③キャビネットシミュレータ
④ポストエフェクト:Delay, Reverb, Lo-Fiフィルタ
この他に、入出力レベル、入力ゲート、チューナー機能があります。アンプは通常の1台を使う「ノーマルモード」と、2種類をミックして使える「ミキサーモード」があります。基本的なギターの音作りを完結できるパッケージです。
各セクションの音と操作の印象
プリエフェクト
OD808: 一般的なMAXON OD808シミュレートです。DRIVEをあげてもそこまで低音が潰れず使いやすいと思います。
REVENANT: Andy Jamesのシグネイチャープリアンプペダルです。とんでもなくギャンギャンです。HIMIDのキャラが強烈すぎて、アンプの前段に入れるとアンコントローラブルな音になります・・・が、2つのエフェクトの右側にはルーティング切り替えがあり、アンプの入力につながるか、パワーアンプ部にダイレクトにつながるルート選択ができます。REVENANTはプリアンプペダルで、単体でかなり歪みますので、これはこれでもう一つのアンプという位置付けになると思います。REVENANTの前段にOD0808もかけられます。ただ、歪みがいわゆる「エフェクターっぽい」です。チューブらしくありません。ライブとかスタジオだとこういうエフェクターくさい歪みって意外と映えるんで結構いいんですけどね。録音だとちょっとなぁ・・・ある意味とても優秀なシミュレータだと思います。
アンプセクション
アンプはAMP1, AMP2, AMP3の3種類ありまして、それぞれコントロールは実機そのまま+αとなっております。
AMP1 (EVH5150II CH3 シミュレート)
EVH5150II CH3シミュレートです。実機のEVH5150IIIを使ったことはないのですが、Youtubeのどなたかの実機との比較レビュー動画では相当似ていました。各コントロールはPEAVEYの5150よりもわかりやすい気がします。
音は低音成分が多いです。そのためかRESONANCEの効果がいまいちわからないですね。低音は多いのですが、しかし芯があるというわけでもなく、タイトに抜けをよくしようと中高音をあげるとなんかスカスカな微妙な低音になります・・・。プリセットもだいたいこもり気味ですね。
AMP2 (PEAVEY6505 Lead CH シミュレート)
PEAVEY6505のLead CHシミュレートです。こちらも低音が多いですね。AMP1と比べると全体的に荒々しい感じで、低音の潰れも結構あります。モダンメタル的な低音ではないので低音リフだとちょっとルーズな感じになります。しかしソロの音色はめちゃめちゃいいです。荒々しい歪みが、高音の伸びとちょうど良いスクリーム感を出しています!6L6のパワーチューブがいい感じです。
AMP3 (VOX AC30シミュレート)
こちらはAMP1, AMP2とはうってかわってとんでもなく高音寄りです。ですがTONE CUTが結構いい感じに効いて、甘い音も出せます。これはなかなかいいですよ。TREBLEの帯域もいい感じで、きらびやかすぎない綺麗なクリーントーンが作れます。
キャビネットシミュレータ
シンプルな3種類のキャビネットシミュレータと+外部IRローダーの構成です。うーん、こもりがちな音はこのCAB1/CAB2のせいかもですね。外部IRローダーですが、Tonality Andy James自体にもIRが17種類付いてきまして、ここから選ぶこともできます。この付属の外部IRで、幸いなことに2つ割と抜けのいいのがありまして(IR 04とIR17)、今回のデモではそのうちの一つ「IR 04」を使いました。
ポストエフェクト
DELAY, CHORUS, Lo-FIフィルタの構成です。あまり特筆すべき点はなかったですが、シンプルで使いやすいのでは。ディレイにはモジュレーションが付いており、遅い速度でかけると普通のディレイよりも深みが増す感じがあります。
その他
冒頭にも書きましたが、2種類のアンプをミックス出力する「ミキサーモード」があります。単体アンプシミュレータのプラグインでは珍しい機能です。自分はAMP1のスカスカな低音をもう1系統の歪みの少ない低音寄りな設定で補うことで、モダンメタリックな音をなんとか達成できた気がします。
全体の所感、まとめ
公式のAndy James氏のデモがめっちゃカッコよく音もいい、某海外の大手正直なアンプシミュレータレビューサイトでも高評価、そしてSTL TONESの無料プラグイン「Emissary」が相当よかったこともあってトライもせず購入してしました。しかし、正直なところ「うわ〜やっちまったな・・・」という感想です。自分はこれを機に「絶対トライアルで試してから購入!」を固く決意しました・・・。
こもっていて低音よりなくせに肝心の低音の芯がない・・・そして何よりメインアンプのEVH5150IIIシミュレートは、フリーのML sound lab「Amped ROOTS」 とさして変わらない・・・ Amped ROOTS はさすがキャビネットシミュレータが好評なML Sound Lab製なだけあって、むしろTonality AJよりも即使える。Amped ROOTSの完成度が高いとも言えますが。
6505+のリードはよかったですけどね、AC30のクリーンも。ただ別に他のでもいいかなと。絶対これ!ってほどの魅力には足りない印象でした。あと結構CPU使います。ミキサーモードで2倍のCPU使用率です。
Andy Jamesフリークの方にはオススメします。しかし今、高クオリティなアンプシミュレータプラグインが多い中で、あえてこれを選ぶ理由はないように思います。
STL TonesであればTonalityよりも無料の「Emissary」+「Ned IR」がオススメです。エクストリームないい音ですよ。そしてアーティストまんまの音が出る「Tonehub」もいいと思います。これはデモを聞いてびっくりしました。すごいです。
また同社から最近リリースされた「Amphub」も気なります!サブスクで$10/月はかなり良いかも。
↓公式HP