ギター_メタル_stratakkブログ

ギター、音楽関連の趣味の話題を扱います。

STLTONES TONALITY ANDY JAMES プラグイン レビュー

STL TONES プラグイン TONALITY ANDY JAMES  をレビューします。

EVH5150III とPEAVEY6505, VOX AC30の少し珍しい組み合わせのアンプ/エフェクトがワンパッケージに収まったプラグインです。日本語のレビューが少ないので、購入検討のお役に立てればと思います。

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TONALITY ANDY JAMES プラグイン

 

TONALITY ANDY JAMES デモ音源

STLTONOES TONALITY ANDY JAMESプラグインを使用してデモ音源を作成しました。

ギターはダイレクトにPCインターフェイスで録音し、インサートエフェクトでアンプシミュレータをかけています。
ギタートラックはミックス段のM/S処理で中央低音成分をベース/キック用に多少下げたのみです。

www.youtube.com

TONALITY ANDY JAMES プラグインの構成

TONALITY ANDY JAMES は下記の基本構成となっています。

①プリエフェクト:OD808/REVENANT(ANDY JAMESシグネイチャーペダル)
②アンプセクション:AMP1(5150III)/ AMP2(6506+) /AMP3(AC30)
キャビネットシミュレータ
④ポストエフェクト:Delay, Reverb, Lo-Fiフィルタ

この他に、入出力レベル、入力ゲート、チューナー機能があります。アンプは通常の1台を使う「ノーマルモード」と、2種類をミックして使える「ミキサーモード」があります。基本的なギターの音作りを完結できるパッケージです。

各セクションの音と操作の印象

プリエフェクト

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Tonality Andy Jamesプリエフェクト


OD808: 一般的なMAXON OD808シミュレートです。DRIVEをあげてもそこまで低音が潰れず使いやすいと思います。

REVENANT: Andy Jamesのシグネイチャープリアンプペダルです。とんでもなくギャンギャンです。HIMIDのキャラが強烈すぎて、アンプの前段に入れるとアンコントローラブルな音になります・・・が、2つのエフェクトの右側にはルーティング切り替えがあり、アンプの入力につながるか、パワーアンプ部にダイレクトにつながるルート選択ができます。REVENANTはプリアンプペダルで、単体でかなり歪みますので、これはこれでもう一つのアンプという位置付けになると思います。REVENANTの前段にOD0808もかけられます。ただ、歪みがいわゆる「エフェクターっぽい」です。チューブらしくありません。ライブとかスタジオだとこういうエフェクターくさい歪みって意外と映えるんで結構いいんですけどね。録音だとちょっとなぁ・・・ある意味とても優秀なシミュレータだと思います。

アンプセクション

アンプはAMP1, AMP2, AMP3の3種類ありまして、それぞれコントロールは実機そのまま+αとなっております。

AMP1 (EVH5150II CH3 シミュレート)

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Tonality Andy James AMP1

EVH5150II CH3シミュレートです。実機のEVH5150IIIを使ったことはないのですが、Youtubeのどなたかの実機との比較レビュー動画では相当似ていました。各コントロールPEAVEYの5150よりもわかりやすい気がします。

音は低音成分が多いです。そのためかRESONANCEの効果がいまいちわからないですね。低音は多いのですが、しかし芯があるというわけでもなく、タイトに抜けをよくしようと中高音をあげるとなんかスカスカな微妙な低音になります・・・。プリセットもだいたいこもり気味ですね。

AMP2 (PEAVEY6505 Lead CH シミュレート) 

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Tonarity Andy James アンプセクション

PEAVEY6505のLead CHシミュレートです。こちらも低音が多いですね。AMP1と比べると全体的に荒々しい感じで、低音の潰れも結構あります。モダンメタル的な低音ではないので低音リフだとちょっとルーズな感じになります。しかしソロの音色はめちゃめちゃいいです。荒々しい歪みが、高音の伸びとちょうど良いスクリーム感を出しています!6L6のパワーチューブがいい感じです。

AMP3 (VOX AC30シミュレート)

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Tonality Andy James AMP3

こちらはAMP1, AMP2とはうってかわってとんでもなく高音寄りです。ですがTONE CUTが結構いい感じに効いて、甘い音も出せます。これはなかなかいいですよ。TREBLEの帯域もいい感じで、きらびやかすぎない綺麗なクリーントーンが作れます。

キャビネットシミュレータ

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Tonality Andy James キャビネットシミュレータ

シンプルな3種類のキャビネットシミュレータと+外部IRローダーの構成です。うーん、こもりがちな音はこのCAB1/CAB2のせいかもですね。外部IRローダーですが、Tonality Andy James自体にもIRが17種類付いてきまして、ここから選ぶこともできます。この付属の外部IRで、幸いなことに2つ割と抜けのいいのがありまして(IR 04とIR17)、今回のデモではそのうちの一つ「IR 04」を使いました。

ポストエフェクト

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Tonality Andy James ポストエフェクト

DELAY, CHORUS, Lo-FIフィルタの構成です。あまり特筆すべき点はなかったですが、シンプルで使いやすいのでは。ディレイにはモジュレーションが付いており、遅い速度でかけると普通のディレイよりも深みが増す感じがあります。 

その他

冒頭にも書きましたが、2種類のアンプをミックス出力する「ミキサーモード」があります。単体アンプシミュレータのプラグインでは珍しい機能です。自分はAMP1のスカスカな低音をもう1系統の歪みの少ない低音寄りな設定で補うことで、モダンメタリックな音をなんとか達成できた気がします。

全体の所感、まとめ

公式のAndy James氏のデモがめっちゃカッコよく音もいい、某海外の大手正直なアンプシミュレータレビューサイトでも高評価、そしてSTL TONESの無料プラグイン「Emissary」が相当よかったこともあってトライもせず購入してしました。しかし、正直なところ「うわ〜やっちまったな・・・」という感想です。自分はこれを機に「絶対トライアルで試してから購入!」を固く決意しました・・・。

こもっていて低音よりなくせに肝心の低音の芯がない・・・そして何よりメインアンプのEVH5150IIIシミュレートは、フリーのML sound lab「Amped ROOTS」 とさして変わらない・・・ Amped ROOTS はさすがキャビネットシミュレータが好評なML Sound Lab製なだけあって、むしろTonality AJよりも即使える。Amped ROOTSの完成度が高いとも言えますが。

6505+のリードはよかったですけどね、AC30のクリーンも。ただ別に他のでもいいかなと。絶対これ!ってほどの魅力には足りない印象でした。あと結構CPU使います。ミキサーモードで2倍のCPU使用率です。

Andy Jamesフリークの方にはオススメします。しかし今、高クオリティなアンプシミュレータプラグインが多い中で、あえてこれを選ぶ理由はないように思います。

STL TonesであればTonalityよりも無料の「Emissary」+「Ned IR」がオススメです。エクストリームないい音ですよ。そしてアーティストまんまの音が出る「Tonehub」もいいと思います。これはデモを聞いてびっくりしました。すごいです。

また同社から最近リリースされた「Amphub」も気なります!サブスクで$10/月はかなり良いかも。

 

↓公式HP

www.stltones.com

 

 

【ベース修理2】トーン回路は全開でも影響する?

ベース改造

前回ベースの修理/改造をしてこれまであったトーン回路をなくしました。ギターでもそうですが、私はトーン回路使わないのでいらないなと。

たまに「トーン回路は前回でもトーンポッドの残留抵抗があるので、回路自体の有る無しで音が全然違う」とか、「1VOL回路にしたらすごいハイが出るようになった」とかいう情報を目にするので、実際トーン回路の有る無しで録音して比較してみました。

音源+波形比較

録音はベース→プリアンプ→オーディオIFとしています。音作りはほぼせず録音そのままです。

改造前ブリッジPU

soundcloud.com

改造後ブリッジPU

soundcloud.com

 うーん。。。大して違わないように聞こえる。もう一つ波形で比較してみました。

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BridgePU波形比較

意外と違いますね。ただやっぱり聞いた感じあまり変わらないんですよね。なんというか音の傾向は同じで少し違うくらいなのでわからないのかなと。

ネックPUとブリッジPUのミックスも比較してみました。

改造前ネックPU+ブリッジPU

soundcloud.com

改造後ネックPU+ブリッジPU

soundcloud.com

↓波形比較です。

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ネックPU+ブリッジPU波形比較

こっちは音も違いますし波形もまぁそこそこ差があるかなと。高い音域は結構違いますね。

まとめ

今回の結果から

  • トーン回路あるだけでも多少違う、けど聞いてもあまりわからんレベルかも
  • バランサー回路の場合は聞いてわかるレベルでトーン回路あり/なしの差が出る。

バランサーの方は回路(前回の記事に載せていますが)みると明らかですが、ネック+ブリッジPUの時はバランサーの抵抗値が高くて、トーンをいくら全開にしててもある程度かかった状態になるんですよね。

まぁでもどっちがいいとか悪いとかそういうことではないですよね。好みだと思います。結果的に私は今回の改造によって、前までとは少し高域の設定は変更した方が良い感想です。

もし、バランサー回路積んだベースを持っていて、「アタックがもう少し!」ということであればトーン削除結構おすすめです。トーンなくても、現代の充実した機材環境において不便を感じることはあまりないのではないでしょうか。

 

こちら前回の記事です。

stratakk.hatenablog.com

 

 

 

 

【ベース修理その1】ベースの回路ってなんか変?

私の使っているベース、 Bacchus の TF-ASH です。

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TF-ASH 1

少し前に中古で購入しまして、結構安かったのですがMade In Japanということもあり作りも音も驚くほど良いです。

ただ購入時はコントロールのノブがいくつかなかったりボリュームやトーンのガリが結構あったのですが(この辺が安かった理由かもしれません、今はノブは交換してあります)、いよいよボリュームのガリは限界になったため、修理を兼ねて少し改造もすることにしました。

さて、一般的なオーディオ系やエレキギターの回路からするとベースの回路ってちょっと変わってるんですよね。TF-ASHのパッシブ系の回路は下の画像のようになってました。

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TF-ASH回路

「ちょっと変」なのはPUからボリューム部品の2pinに繋がって3pin or 1pinから出力につながるところです。ジャズベもそうですが、複数PU搭載のベースのパッシブ回路はだいたい上記と同じようなボリュームの繋ぎ方になっています。ギターや普通のオーディオでは音源(PU)がボリュームの3pinで、2pinが出力になります。ただ1PUのプレベはギターと同じみたいですね。

このバランサー回路もベースの2ボリューム回路も同じ印象なのですが、NECK+BRIDGE PUの音にしたいんだけども、ちょっとボリューム動かしただけですぐブリッジPU or ネックPUオンリーにした時とほぼ変わらない音になってしまう。ブレンド音の微調整が全然できない。これの原因がこの変なボリューム回路のせいだと思うんですよ。部品本来のテーパーから意図されていない使い方されてますしね。

というわけで、今回ベースの回路を

  • マスターボリューム+バランサー+トーン 
  • →ネックPU VOL + ブリッジPU VOL + PUセレクタ

というレスポール的な回路にすることにしました。そしてトーンは、メタルギタリスト的には必要ないのでなくしました。 

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改造前

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交換する部品を外しました

ちょっとトラブルが。元のボリュームの穴にPUセレクターのスイッチがはいりません...。改造あるあるですね。

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トグルスイッチが入らない

仕方ないのでリーマーで穴を広げました。

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改造完了!

配線をして改造完了です!今回は回路もシンプルなので割とすんなり終わりました。

 

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TF-ASH改造後

PUセレクターのあるベースも見た目悪くないですね!

 

さて、回路変更の効果ですが・・・

なんと残念ながらなし!

PUセレクターをセンターにしてネックPU/ブリッジPUのボリュームを変えると、やっぱり最後のところで急激に音が変化します...。

やっぱり勘で適当に考えてるとダメですね〜この原因はもっと違うところにありそうです。やっぱりいわゆるトーン回路みたいなものにしないとダメかもですね。

とはいえ改造主目的のボリュームガリは解消し、トーンもないので、いちいち全開確認しなくて良いですし、PUセレクターはギタリスト的には使いやすいのでOK!シンプルな操作系は意外と使いやすいですよ。

Neural DSP プラグイン比較 レビュー

Neural DSP の単体アンプシミュレータを比較してみました!どれも個性的かつクオリティの高いプラグインであることを再認識しました!

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neuraldsp ampsim1

 

 

Neural DSP プラグイン 比較デモ音源

プラグイン比較デモ音源を作成しました。

ギター以外は全て同じ、ギターもプラグインを変えたのみです。

 

www.youtube.com

それぞれのプラグインをプリエフェクトからキャビネットシミュレータまで丸々比較という形にしました。それぞれで私好みなモダンメタルな音を作ってまとめました。結構音が違って違和感あるように思いますが、一つのプラグインで一曲通すと全くそんな感じはしないです。

比較したプラグイン

今回下記4つのNeural DSP製単体ギターアンプシミュレータを使ってみました。

①Fortin Nameless Suite
②Fortin NTS Suite
③Omega Ampworks Granophyre
④Fortin Cali Suite

どれも基本的な構成は同様で

プリエフェクト(ゲート/オーバードライブ)、アンプセクション、キャブネット・マイクシミュレータ という構成です。

 

各アンプシミュレータの特徴と音の感想

Fortin Nameless Suite

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Nameless-1

 

Nameless Suite概要

元になったアンプは Fortin MESHUGGAHで、メシュガーのフレドリックトーデンダルのシグネイチャーアンプです。マーシャルを元にしたハイゲイン改造系のようです。個人的にそこまでメシュガーフリークではないですが、バンドとしては機械的な音と精密なリズムリフが印象的ですね。ただリズムが複雑であまり長く聴いていると疲れる笑

Nameless SUITEの音と操作感

立ち上げたデフォルトの状態で「なんだこれ!いいぞ!!」と思えます。すごいハイ寄りなんですが突き刺さらない絶妙なところです。

プリエフェクトではZUUL(ゲート)/  HEXDRIVE(TS系OD) / GRIND(ハイブースター)がありますが、アンプ自体がハイ寄りなのでGRINDを使うととんでもなくギャンギャンになりました。GRINDとNamelessの組み合わせは難しいかも...。

GAIN 1とGAIN 2でそれぞれ歪む周波数帯が違うのでうまく設定する必要があります。キャビネット・マイクの設定次第でマイルドな音も出るので、シンプルな操作性ですが非常に奥が深いです。

ハイ寄りなんですが、ミックスすると低音もしっかり聴こえてかなりいいですね。またソロの単音もすごくいいです。粘りととても気持ちの良いチューブ歪みの飽和感があります。

Neural DSPとして初期に出したものなせいか、シンプルな名前のプリセットで数も少ないですが、即使えるものが多い印象です。

 

Fortin NTS Suite

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Fortin NTS suite 1
NTS Suite概要

元になったアンプは Fortin NATASですが、これはそもそもRandall SATANと同設計(SATANがそもそもマイクフォーティン設計)のようです。Youtubeでの多数の機材レビューで有名なOla Englundシグネイチャーアンプで、SATANを逆さ読みしてNATAS、と。Ola所属のFEAREDのサウンドなんかは割とオーソドックスなモダンデスメタルという感じでDjnetではなくもっと素直にヘヴィな音という印象でした。

NTS Suiteの音と操作感

こちらも6IRTHと6RINDというつまみが周波数ごとに違う歪み方を担っており、ハイゲインチャンネルのキャラクターの幅は広いです。Namelessに比べると高音の突き抜けた感じは少なく、丸みを帯びたような印象です。音の扱いやすさとしてはある意味NTSの方がいいかもしれませんね。その他のEQも素直な効き方です。 

リズムのサウンドでは低音のブリブリした感じがあり、リフは結構映えますね。単音ソロは少し丸い感じがあるかなと。Namelessよりも全体的に少し太い音に感じられました。ただ個人的には、割とオーソドックスな音であるがゆえに、設定を決めきれないというか、いまいち「これだ!」というハマる設定にならない感じがありました。またプリセットが基本ほとんどこもり気味な感じです。もしかしたらEMGの乗ったギターとかだと少し印象が変わるかもしれないですね。

Ola Englundプリセットもあるのですが名前が無茶苦茶で(「もう弾きたくない」とかそんなの)どんな音か全く想像がつきません笑

Omega Ampworks Granophyre 

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Omega Granophyre 
Omega Ampworks Granophyre概要

SlipknotのミックトムソンがOmega ampworksのIridium(その後Granophyreに名前を変えたようです)やObsidianというアンプを使用していた?いる? ようです。最近なんでしょうか。Omega ampworksは2010年にアメリカでスタートしたハイエンドカスタムギターアンプ/キャビネットのブランドだそうです。 

Omega Ampworks Granophyreの音と操作感

ゴリゴリのクールなドンシャリという見た目通りのイメージの音が出ますが、LEVELの位置に応じて低域の潰れ感と飽和感をコントロールでき、温かみのあるチューブサウンドも出ます。また今回の4つのプラグインでは唯一、キャビネットを2種類から選ぶことができ、モダンメタルらしいソリッドな音からビンテージ感のあるキャラクターまで作ることができます。クリーンは出ませんが歪みのキャラクターは意外に広くプラグインとしてかなり完成度が高いです。

リフではソリッドな低音と抜ける高域が良く、単音ソロも飽和感が出せてかなりいいですこのプラグイン。プリセットも良い設定ばかりで、そのまま使えるレベルです。

 Fortin Cali Suite

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Fortin cali -1
Cali Suite 概要

Fortinの3チャンネルフルチューブアンプが元になったプラグインです。クリーン/OD1/OD2とあり、マーシャル的なコントロールにBRIGHT, VIOLENCE, HAIR, THUMPのキャラクターを変えるコントロールが追加されています。Fortinでもっとも適用範囲の広いプラグインと解説があります。

Cali Suiteの音と操作感

ODチャンネルのGAINの構成はNamelessやNTSと同様ですね。また各コントロールも効果がわかりやすいです。本当にいろんなジャンルの音楽のギターに対応できると思います。透き通ったクリーンもダーティーなクランチもかなり良いです。ただ、モダンメタル系としてどうかというと、ODチャンネルがどちらもこもり気味なんですよね・・・ 。NTSもそうでしたが、プリセットが全然そのままでは使えない(メタル音を求めると、です)。かなりトレブリーな設定にしていくと確かに抜けの良い音が出せましたが、ピーキーな設定にしている分癖が強くなってしまい、「モダンメタルをこのプラグインでやるならもうこの音!」という、ある種アンプの強烈な個性を感じました。逆に迷わなくて良いかもですが。

適用範囲は広いと思いますが、メタル向きではないと思います。いろんなジャンルに1台で対応したい、というのであればCaliが最適だと思います。

 

4つのプラグイン全体的な所感、まとめ

 

4つのプラグインはどれも相当クオリティが高いです。何を求めるか、やりたいかで選ぶと良いと思います。下記が個人的な見解です。

  • 高音大好き!→ Nameless
  • オーソドックスなメタルサウンドが最高!→ NTS
  • 冷たい音のモダンメタル!→ Granophyre
  • ポップス〜ロックまで全ジャンル!→ Cali

CPU使用率ですが

Nameless = Cali > NTS > Granophyre くらいの感じで結構差があります。

個人的な好みとしてはやっぱりデフォルトですでに音が良かったNamelessとOmega Granophyreです。特にGranophyreは気に入りましたので、下記に詳細なレビューをしました。こちらもご覧ください!

stratakk.hatenablog.com

Neural DSPは単体アンプの他にアーティストとの完全コラボのArchtypeシリーズもあるのでこちらも今後試してみたいと思います。

 

↓公式HP

neuraldsp.com


neuraldsp.com

JST Toneforge Misha Mansoor プラグイン レビュー

JST (Joey Sturges Tones) のプラグイン Toneforge Misha Mansoor  をレビューします。

独特な音と操作性で、一通りのギターサウンドメイクがワンパッケージにまとまったハイコスパプラグインでした。

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Toneforge Misha Mansoor amp1

 

JST Toneforge Misha Mansoor デモ音源

JST Toneforge Misha Mansoor プラグインを使用してデモ音源を作成しました。

ギターはダイレクトにPCインターフェイスで録音し、インサートエフェクトでToneforge Misha Mansoorをかけています。
ギタートラックはミックス段のM/S処理で中央低音成分をベース/キック用に多少下げたのみです。

www.youtube.com

 

JST Toneforge Misha Mansoor プラグインの構成

Toneforge Misha Mansoor (以下TFMM) は下記の基本構成となっています。

①プリエフェクト:Horizon Devices PRECISION DRIVE
②アンプセクション:CLN/CRCH/LEAD
③キャビネット/マイクシミュレータ
④ポストエフェクト:Delay, Chorus, Reverb
⑤4band パラメトリックEQ
⑥リミッター

この他に、入出力レベル、入力ゲート、チューナー機能、そして全体のシグナルチェーンのON/OFF 切り替えがあります。アンプはクリーン/クランチ/リードの3ch 構成であり、エフェクト含めギターサウンドの初めから終わりまで1パッケージになっております。

各セクションの音と操作の印象

HORIZON DEVICES PRECISION DRIVE

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TFMM PRECISION DRIVE

さすがのMisha Mansoorプラグイン。オーバードライブは当然のようにPRECISION DRIVEです。いわゆるGATE付きのオーバードライブですが、プラグイン版のこちらも実機の評判通り非常に優秀です。TS系ODのようにTONEとVOLをあげて アンプで高域を歪ませることは考える必要がなく、VOLを上げずにATTACKとBRIGHTで抜けと低域のタイトさをコントロールできます。かなーり使いやすいです。これ単体で他のアンプシミュと併用しても良い音がしました。実機の方も欲しくなるレベルです。

アンプセクション

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TFMM amp2
TONE

中央でクリーン(CLN)/ クランチ(CRCH) / リード(LEAD)を切り替えます。

GAIN

中央のノブは無限回転します。回転するごとにメーター(3種類)と画像の数字が I~ VIまで増えます。

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tfmm-gain

I 〜 IVの4種類は音のキャラが異なり、またメーターの位置によってそれぞれに3種類フォーカスする周波数帯の異なる音があります。ゲインのメーターは7段階しかありませんが、音のキャラクターはCLN/CRCH/LEADそれぞれに3 x 4 =12種類あり、合計36種類の音色がある感じです。歪みの微調整はオーバードライブ段でやる感じですね。

I~IVとメーター位置の音のキャラクターは各アンプの CLN/CRCH/LEADチャンネル共通な感じがあります。LEAD CHではだいたい下記のような感じでした。

メーターエリア1: 少し高域抑えめなな音

メーターエリア2: MIDが豊かな自然な音

メーターエリア3: 高域の強調されたドンシャリな音

GAIN " I " : 高域の抜けの良い音

GAIN "II" : MIDが強調された感じ

GAIN "III" : ギャンギャンな高域のドンシャリ

GAIN "IV": Lo-Midフォーカスのゴリゴリな音

全部が全部使える音ではないですが、どのチャンネルもGAIN " I "は使いやすい感じです。

EQ

LOW/MID/HIGHのオーソドックスなEQです。5150アンプのようなMIN, MAXあたりで急に変化しその他は微調整のような効き方です。

CHARACTER

TIGHT/SAT/PURRとあります。TIGHTとSATはなんとなくその通り効いている感じがあります。PURRはパームミュート時の低音の残り具合みたいなものを調整できます。あまりあげすぎると低音が潰れる感じがあります。ここの3つのコントロールはこれまでのアンプには存在しなかった概念で、独創的で非常に良いです。他のアンプでもPURRノブが欲しくなります。

TOP END

RANGEで高域の周波数選択、PRESで高域のレベルを上げます。音抜けに相当影響します。EQのHIGHと合わせて慎重な設定が必要な感じがあります。

HARMONICS

あげるとかなり高い部分の音が強調されます。結構耳につく感じになります。上げすぎないくらいで使うのが良さそうです。

COMPRESSOR

自然なコンプというよりはダイナコンプのような感じですね。クリーンの時に使いやすいです。

 

キャビネット / マイクシミュレータ

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TFMM CABSIM part


あまり自由度はなくキャビネットとマイク(4種類)を選べるます。外部IRロードもできます。某所のレビューではJST Matched CABがいいと書いてありましたが、ちょっとミドルに寄りすぎなかなぁと。個人的にはML Sound Lab Cabが一番使いやすく、音もいい印象です。

ポストエフェクト

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TFMM Post EFX

Delayだけ使いましたが、かなり良い音しますね。アナログディレイエフェクターっぽい自然な馴染み方します。

パラメトリックEQ

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TFMM -ParaEQ

結構大雑把な設定しかできませんが、周波数帯域が良いところで効くので過不足ないと思います。キャビネットSIMがシンプルなのでここで微調整できるのはありがたいです。

リミッター

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TFMM -Limiter

最後にリミッターがあります。リミッターと書いてありますがコンプですね。シンプルな操作系ですがここも効き方は結構自然です。

シグナルパス

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TFMM -signal path

下側に各セクションのON/OFFがあります。MAGICというのがTFMMの音のキモになっており、中高域が相当変わります。CABの後ろにあるので、TFMMのキャビネットSIMはこのMAGICありきの音になっていると思います。逆にサードパーティーIR使用時は MAGIC OFFが良いかもしれません。

その他

結構動作は軽い方だと思います。また、Stereo/Mono切り替えがなく自動です。これが地味に使いやすいですね。

購入時の注意点

STAY HOMEの影響でかなり値下げしており、あまりいろいろ調べず勢いで買ってしまったのですが、下記について少し後悔しています。 

TFMM Advanced

TFMMには通常版とAdvancedという機能拡張版があるのですが、このAdvancedはJSTにVIP登録をするか、通常のTFMM購入ページとは別にあるToneforge Metal Starter Packというバンドル版にしかありません。Advancedではさらにいろいろいじれるようです。どうもMishaやその他有名youtuberの設定を真似ても同じような音が出ないので、Advancedで設定できるところに何かあるような気がしています。

Metal Starter Pack

Tonefroge Metal Starter PackはTFMM Advancedの他にHellraiserというベース用プラグイン、Misha作成のTFMM用プリセット、その他JSTチュートリアルや期限付きですがVIP会員権までありながら価格は大幅値下げされて$120ほど(ブログ書いている今もこの値段でした)と、相当お得です。

実は通常版のTFMMには自分で作る以外のプリセットがないです。だいたいこういうプラグインはプリセットを自分用にカスタマイズするところからスタートしたいので、これは相当厳しいです。TFMM購入者はMetal starter packへの特別価格も用意されていますが、総額では上記の価格より高くなってしまったので、よく調べてからMetal Starter Pack買えばよかったと後悔・・・。

 

全体の所感、まとめ

ギタープレイ自体を派手に色づけしてくれるような印象です。劇歪みですが荒々しい感じではなく、滑らかで整っているような、そしてよく抜けるというとても不思議なサウンドです。低音リフ、パームミュートなど非常に際立つ音ですが、一方でコード弾きではしっかり馴染むという音色的にはメタルで扱いやすい感じになってくれます。

音のキャラクターはかなり個性的なのですが、そのバラエティーが豊富で奥が深く、音作りは少し難しい部類かもしれません。しかし各エフェクトのクオリティの高さ、TIGHTとPURRなどこれまでになかったけれども、メタルサウンドメイクに求められていたコントロールがとても良く、プラグインとしては非常にオススメです。

 

↓公式HP

https://joeysturgistones.com/

↓通常版TFMM

https://joeysturgistones.com/collections/toneforge/products/toneforge-misha-mansoor

↓TFMM Advanced同梱のMetal Starter Pack

https://joeysturgistones.com/collections/bundles/products/toneforge-metal-starter-pack


neuraldsp.com